2009年08月04日

瞳を閉じてみる夢 君に渡したいものがある

近所にフランケンシュタインが住んでいる。


大きな身体はどうにも重そうで
縫い合わせた四肢を引き摺り
伏し目がちの視線は蛹の様に
丸い背骨の為に前を向けない。

彼は、なにか仕事を持っているようで
毎朝、自分と同じ時間頃に出かける。

彼の大きな身体には不釣合いな
小さな古いスクーターに乗って。

手やズボンが土まみれで帰ってくるので
なにか身体を動かしてする仕事なのだろう。

出掛けに何度も彼を見かけるので
ある朝、声を掛けてみることにした。

「おはようございます」と言うと
「失礼しました」と彼は返答する。

「?」挨拶とかをしらないのかな?と思い
その後も何度か挨拶しても同じ答えだ。

別段、何も失礼なことは
してもないのにそう謝る。

そこからなんとなく、今迄の彼が人目を避け
不憫な日々を過ごしてきたのではないかと
同属への憐憫のような気持ちがわいてくる。


自分は、可哀相に弱いのだ。


彼の事を疎むような奴等が彼の周りを囲んで
彼は自分自身を蔑むようになったのだろうか。

などと勝手に考えては
勝手に悔しがっている。

想像上のそういう人たちを
自分は許すことが出来ない。



雨の日に、いつもの格好のまま(着替えなどないのか)
濡れたままスクーターで出かけていった彼を見かけた。

そこで自分は、思いつく。
なにかしてやれないかと。

昔貰ったヨットの帆と外国土産の織り柄豊かな毛布
友達が置き忘れたのかいつからかあるヘルメット。

ヨットの帆は地味目な小豆色なので
外国のブランケットをフリンジにして
かぶりのポンチョに仕立ててみた。

オレンジ地に紺・黒・白の模様が織られた
残りのブランケットは共地のマフラーに。

ヘルメットはターコイズカラーに塗装。


雨除けに、と渡した時も
彼は申し訳なさそうに
「失礼しました」
と返って来た。


ちょっと予想してたが
やっぱり少し残念だな。

でも、次の日から雨の日じゃなくても
毎日その3つを着けて出かけている。


いや、違うんだけどなぁ…でも
喜んでくれているなら、いいや。



posted by 08 at 15:19| Comment(1) | TrackBack(0) | 瞳を閉じて見る夢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
優しく勤労なフランケンの姿が思い浮かびました。
人に対してひどく遠慮がちなフランケン。
でも、こっそり喜んでいることが分かる服の変化。
なんか読んでて、温かく心地よくなりました。

そういえば、たしかフランケンシュタインのお話も、
夢で見た怖かった話をそのままに物語にしるし、
できあがったものだと聞いた事があります。
モスさんの夢日記も本になるといいのに。
Posted by jun at 2009年08月05日 20:20
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