2010年04月07日

瞳を閉じてみる夢 群夢 03

もうひとつ。


まったく説明なく恋人に振られた。

別れるのは仕方ないにしても
説明もないのは非常に辛い。

反省もできなければ前進もできない。

何日か経ってから、そこにまた唐突に連絡が入り
その訳を話すから××駅で待ち合わせようとの事。

いったこともない駅。
雨上がりの曇り空。

落ち合ったのはいいが、元恋人は
どこか行きたい場所があるらしく
とにかくせかせかした風で歩き出す。


確かこっちだった…
あれ、おかしい…
ここを曲がれば…


などと、ぶつぶつ言いながら進んでいく。

次第に他の家や倉庫や養豚場などに
土足で上がりこんではまた出て行く。

こちらはいちいち靴を脱ぎ履きするものだから
追いつくのに必死で段々付き合いきれなくなる。

もう、歩きながらでいいからワケを話してくれ
そういっても「着いたら話すから」と上の空。

どこかの農家の納屋、母屋、工場の資材置き場
神社仏閣、部室(何故か平屋)、田んぼの畦道。

入っては出て、またどこかに入る。
玄関からでも、お勝手口からでも
縁側からでも、社員通用門からでも
関係者以外立ち入り禁止からでも。

本当に話す気があるのかわからなくなってくる。

それ以上に、ひとんち土足ってどうなんだ?
網戸も開けっ放しでそこを出るものだから
跳躍みみず(血も吸う)が入って来てしまう。
ギシギシと動かない網戸をなんとか戻す。


あれ、おかしい…
こっちだったっけ…
着いたら話すから…


一体、何を考えているんだかわからない。
そのぶつぶつ囁く声も横顔ももはや怖い。

しかも段々とスピードが上がり
そしてまたさっき通った畦道や
平屋の部室に入っては出たり。

商店街の裏道、涼しい風の通る公園
雑木林、倉庫、操車場、病院、民家…。

降っていた雨露が残っているから方々散々歩いて
ズボンの裾が重たく濡れて、雑草や泥濘に汚れた。

ふいに古い記憶と合致するような景色が。

大きくて清潔な倉庫。

何故だろう。
見覚えある。

そうだ、祖父と一緒に来たことがある。
そして、あの中に入ったこともある。

この倉庫の中には隣の工場で作った
発泡スチロールのトレーが積まれている。

あの豚細切れ(国産)200gとか
塩しゃけ切り身(甘塩)2キレ入とか

そういう食品をパックするためのトレー。

確かシイナ、そうだ椎名さんという問屋さんだ。

そこで緊張がふっつりと途切れてしまう。

「もう、目の前で居留守使われているのと同じだ」

そう思い、足を止める。

元恋人はそのままさんさんと歩き続け、どんどん小さくなる。
走り出した電車と、さっき停車してた駅のように離れて行く。

ここがどこかは分からないが
人に聞けばまた駅に帰れるし
あればタクシーでも拾いたい。


元恋人は行きたいところへ辿り着けたろうか。





posted by 08 at 21:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 瞳を閉じて見る夢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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