2014年03月22日

瞳を閉じてみる夢 有頂天時代

小さい頃に父に手を引かれて大道芸を見た。


「大道芸」の意味も分からない子供には
みんなが思い思いに不思議で自由な
楽しい遊びをしているように見えた。

たくさんの人の中で、身体ひとつで踊る人がいた。

シルクハットでいろんなひとのダンスの真似をする。
彼のシャツには風が舞い込んでいるみたいだった。

言葉は一切喋らない、柔らかい豊かな身振り手振りと
横に演目を書いためくり台を置いて進める人だった。

靴を履き替えて、タップダンスをしたり
ステッキはハットを被ったりしながら

フレッド・アステア
ジーン・ケリー
ビル・ロビンソン
サミー・デイビスJr.


幼い自分は、当然その人たちの事など知らないけれど
陽光の中で風と踊る真っ白いカーテンのようだった。

いつもは仕舞い込まれているけれど
なんとなくたまに思い出す昔の風景。

思春期に上手く人と話せなくなってしまった時があり
その時の思い出は、気持ちの慰めにも励みにもなった。

大人になって、働き出して。

旅に出るのが楽しみになり、旅先のある夜、道端の立て看板
隅の小さな字でその人のショーが掛かっているのを知った。

温泉街の場末のストリップ劇場の幕間の余興。

随分お年を召されてたけれど、柔らかいままのステップ。

期待されてない舞台は一層心寂しいものだろう。
観客たちの無関心な振る舞いは自分も辛かった。

だから、出来るだけの拍手をした。

舞台の後で支配人に楽屋に挨拶をさせてもらえるよう頼んだ。
まるでファンがいるのが意外そうな表情ながら案内してくれた。

額に、全身に、舞台を終えたばかりの汗が吹き出している。

小柄で細身のお爺さんになっていたけれど
白と黒のコントラストは記憶の通りだった。
上品になで付けられた白髪とシャツ。
薄手の柔らかいパンツとダンスシューズ。

彼は話さないのではなく、話せないのだと
彼の筆談用のノートとペンを見て気付いた。

何から話していいのか分からない自分に対して
彼は言葉がいらないような笑顔を向けてくれた。



The Nitty Gritty Dirt Band - Mr. Bojangles


歌詞【IRI Art/Mr. Bojangles (和訳)】
この歌への愛情を感じるIRIさんの日記でした。

目が覚めた後、何かどこか寂しい気持ちが残っていました
ミスター・ボージャングルの歌詞の世界みたいな夢を見ました。



posted by 08 at 18:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 瞳を閉じて見る夢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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